[副校長] 始まりと終わり

始まりと終わり
ゴールデンウィークも夏休みも、始まる時は心が踊り限りない時間を手にした様に感じるのに、半ばを過ぎて終わりが見えてくると、寂しくなってくる。あと数日の残り時間なのに、やりたかった事・やり忘れていた事が次々と頭に浮かんできて焦りも加わる。楽しみにしていた事の終わりとは、かくも切なくて仕方ない。

思えば、この世の全ては、終わりに向かって進んでいく。長期休暇も仕事も学校生活も、家族や友人との出逢いだって同じ事。しかし、始まって直ぐにそんな事を考えていたら楽しくないし、恋愛なんて悲しくて始める事すら出来なくなりそうである。かといって、永遠に続くなんて確信するのも無駄に時を使ってしまいそうだ。

大切なのは、終わる事を心の片隅で意識しながら、その悲しさや怖さを忘れてしまう位に精一杯に生きること・楽しむこと・育む事なのだと思う。それでも勿論失敗したり嫌な目にも遭うだろう。しかしそこで立ち止まっていたら、残りの時間の多くをその気分で過ごす事になり、せっかく自分が手にした時間が勿体ない。最後まで前に進んでみよう。行きたかった所に行き・合いたかった人に会いに行こう。そして限りある時間だからこそ、好きな人には好きと言おう。

長期休みの最終日の夜。楽しかったと思えるか否かは、何処で何をしたかではない。どう考え、どう過ごしたかで決まる。きっと人生も同じ。途中に何が有っても最後の瞬間に幸せだったと思うには、気持ちと行動が大切なのだ。

行きたかった所には行けず、したかった事は出来ないかも知れない。しかし、あなたがあなたの時間を使って愛した人に想いを伝えることは、今からでも出来るはず。

最後の最後「あなたと過ごせて幸せだった・・・」 そんな言葉を残せる休みや人生にしたいものである。

 

2018.5.2 副校長  伊坪 誠

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