「しょうがないなぁ、のび太くんは…。」みなさんお馴染みのアニメ《ドラえもん》で,よく聞く台詞である。その言葉を言いながらドラえもんはポケットから様々な便利グッズを取り出し,のび太君のピンチを救っている。しかしこの台詞が示すとおり、ドラえもんは直ぐには道具を出さない。出したとしても、のび太君がその道具を上手に使いこなして困難を乗り越えて行く手助け側にまわっている。「ドラえもん」というタイトルながら、あくまでも主役はのび太君の方なのだ。

ドラえもんは、のび太君の子孫が未来から送り込んだネコ型ロボット。その目的は、のび太君を一人前の大人にするため。のび太君が自立した個人になることで、未来におけるのび家の繁栄を考えた為らしい。皆さんも「ドラえもんの様な人(ロボット)が近くにいたらなぁ」と一度位は思った事があるのではないだろうか。実は、ドラえもんは皆さんの隣に既にいるのだ。それに気づいていないだけの話なのである。

のび太君に限らず、子供(いや、誰だって人)は、失敗を繰り返す・なまける・ズルをする。その度に、それを改めさせ成長するヒントを与えてくれる道具である『知識の種』や『考え方』を出し、『生き方』を示す人がいる。そう、あなたの家族や学校、そして大切な人たちが。その道具は便利だが、どれも直ぐには使えない。キミたちの前に出された道具を自らの意思で手に取り、使い方を学び工夫し自分のものにして行きながら困難を乗り越えて行くのだ。その過程では、時間も労力も必要だ。涙を流したり、傷も負うかも知れない。それでも、のび太君がそうしているように、最後まで立ち向かいながら、自らを成長させて行かなくてはならない。そうして一歩一歩成長し自立して行かなければ、あなたの子孫は、あなたが将来愛する人は…。何よりも隣にいるドラえもんが、一番悲しむに違いない。

ドラえもんは何十年と続く長寿番組。しかしあなたの隣にいる「ドラえもん」には、必ず最終回が訪れる。大好きで大切なあなたとのお別れの日、ドラえもんは涙目で笑いながらこう言いたいに決まっている。

「のび太君は、もう大丈夫。大人になったキミを、未来で待っているよ。」と。

頑張れ、のび太君!

 

追伸:この文章を読み終えたら、「ひまわりの約束」でも聴いてみよう。貴方と、あなたの大切な人との繋がりが分かるかも知れぬ。