『 授 業 』

政治経済の授業を参観した。テーマはお金の話。お金とはいったい何なのかを考え授業を進めて行く。担当の先生は、今年教壇に立ちはじめたばかりの新人で若手。とは言え、大手企業で営業経験を持つ逸材だ。

自分の経験や考えを織り込みながら始まった授業は、グルーブでの意見交換へ。通信制高校は家庭学習が中心と思われがちだが、本校の特別コースは授業を通じての知識理解や人間形成に力を入れている。話し合いでは、活発な意見と屈託のない笑顔が飛び交っていた。「お金とは何か」の生徒達の意見をいくつか紹介すると「生きていくうえで必要なもの」「人を一瞬で変えるもの」「有ると幸せなもの」「サービスを手に入れるために必要なもの」「ただの紙」など多彩だ。

授業を進めるうちに、「お金とは信用である」いう結論にたどり着く。どの様な仕事でも商品でも、信用があるところにお金は集まる。お金と信用が結び付く展開が、生徒達には目から鱗であったようだ。また信用される人は、他者から応援されるのだということにも気づかされた。応援される人は笑顔になり、笑顔が更なる応援を呼ぶ。授業の中で担当の先生からは「私たち教師は、自分という人間を売っているのだ」と頼もしい発言も。

10年後、今ある仕事のおよそ半数は無くなるかも知れないという時代。この授業に参加した生徒一人一人が社会で信用を得て、沢山の人に応援される人になっていて欲しい。

それはまた、本校の先生方も同じこと。自分の言葉で思いを語り、生徒を良き社会人へと導いて行く。自分という人間を売る教師は、己という人間の価値を高めて行くしか生き残る術はない。

お金の話から、人の生き方の話へ。だから授業は面白い。明日からの生徒と教師が、自身と学校との信用をさらに高めて行く。多くの人から信用・応援される人が集う笑顔溢れる学校で有り続けたい。

 

2020.9.8

 

霞ヶ関高等学校

副校長 伊坪 誠