『家庭と子供と学校』

学校が再開されて2週間が過ぎた。登校する生徒の様子を見る限りでは、学校再開に向け心配していた事は全て杞憂だったようである。授業の出席率も高い。休業中のレポート課題の提出状況も良好。暫く学校生活から遠ざかっていたため、挨拶や授業態度などの生活習慣が崩れているのではとの心配も見事に外れた。毎日学校に通わなくても、しっかり成長していく生徒達に頼もしさすら感じている。

この休校中、生徒達は思い思いのスタイルで家庭での自粛生活を送っていたことだろう。その思い思いの自粛生活中、保護者にとっては、さぞ大変だったのではないかと思う。子供の昼食づくり、子供のしつけ、子供との対話、子供との言い争い・・・。そのどれもが子供の成長を促してくれたからの結果として、再開後の学校での姿があるのだと思う。改めて保護者の皆様にはお礼を述べたい。子供の成長には、家庭での支えが欠かせないと言うことを、コロナ禍の中で改めて確認する事が出来た。家庭と子供と学校。より良い成長という共通の目標に向かっての二人三脚をこれからも続けて行きたい。

さて、その一方で、休校期間中に我が子の様子がおかしくなってしまったという家庭もあるかも知れぬ。子供が学校に行きたがらなくなった。子供との言い争いが絶えなくなった。親子の会話が無くなり部屋に籠もることが増えてしまった・・・。走るのを止めた人との二人三脚では、進むのは至難の業。しかし、それはきっと何かのサイン。より良い成長という走りを止めたのではなく、走るペースと歩幅が少し合わなくなっただけと考えたい。

子育ての二人三脚は競争ではない。誰よりも先にゴールする必要もないし、他の人たちと同じような速度で走る必要もない。勿論、格好良く走る必要も。大切なのは、より良く成長したいという子供の気持ちをゴールに運ぶこと。今は色々な態度を示す子供でも、悪く成長したいという子供は一人もいない。だから、二人三脚中、足がもつれてもいいし、転んだって大丈夫。他の人がとっくにゴールしているのに自分たちはまだ道半ばでも、恥ずかしくなんてない。それはむしろ、笑って楽しむ大切な思い出になる。そう考えてみてはどうだろう。

転んですぐには立ち上がれなくても、蝸牛(かたつむり)の様な速度でも、いつかきっと少年(少女)は立派な大人になる。そう信じて、子供と家庭との二人三脚の再開を本校は待っている。

 

 

2020.6.22

 

霞ヶ関高等学校

副校長 伊坪 誠