[副校長] 沖縄修学旅行

沖縄修学旅行

今年の修学旅行の目的地は沖縄。私も引率責任者として参加した。初日の歴史学習に始まり、2日目が森の自然、3日目には海の自然を学び、最終日には沖縄の現状とこれからを考えさせる旅行プログラムであった。企画を提案していただき旅行中サポートしてくれた添乗員さん。安全で快適に生徒達を目的地に運んでくれた運転さん。4日間色々なお話で学びを提供しながら生徒達を笑顔にしてくれたガイドさん。そして旅行のしおりを作成したりなど様々な協力をしてくれた旅行委員さん。皆さんの支えがあったお陰で素晴らしい修学旅行となった。この場をお借りしてお礼申し上げたい。また、修学旅行は団体旅行。いくら事前の準備をしても、参賀者の協力無しには良い旅行とはならない。旅行中時間やマナーを守って行動してくれた参加した生徒達にも、感謝せずにいられない旅行であった。

さて、旅行に参加した生徒はどう感じて何を得たのだろうか。青い空と海、亜熱帯の花や森、深くて暗いガマ、戦争の傷跡・・・。この四日間でみんなが同じものを見た。しかしその思いは人それぞれ。それで良い。それぞれの心に感じた何かが、これからの成長のヒントや教訓になれば。

出発前の結団式で私が、「旅行と人生は似ている」と言ったことを生徒達は覚えているだろうか。見学地の先々で目にしたものや言葉たち。興味のないものを「つまらないもの・意味のないもの」と切り捨てるのは簡単だ。人工施設の艶やかさを素敵・綺麗という事は誰にでも出来る。しかし、なにげない風景に美しさを見いだし、流れゆく言葉たちに耳を澄ませれば、旅行も人生も一層充実したものになる筈である。そのことに生徒達が気づきだしてくれたらと思う。

最期に、今回の修学旅行は、誰かの後さえついて行けば安心だ。その一方で自宅を離れての4日間の旅に、友達と一緒だと「見たいものが見れない・やりたい事が出来ない」「気を遣って疲れた」という経験をした生徒もいたことだろう。たった4日間の旅行でもそうであるならば、残りの高校生活や長い人生では尚更だ。旅行でも人生でも、いつかは一人で歩ける力を付けよう。そうなったときが初めて自由になれる時だ。自分を抑え誰かに合わせてする旅よりも、その方が良い旅となるかも知れない。

一人で旅をするのは寂しいって? でも大丈夫、自分の足で歩き様々な発見をしながら旅を続けて行く人には、自分と気の合う人がいつの間にか横にいる。あなたが心から共に旅したいと想う人に巡り会えるものであるのだから。

この先、生徒達はどの様な旅を続けるのだろう。修学旅行で得た事が少しでも役に立てたなら、この旅行は成功である。答えはまだ、人生の水平線の遙か先にある。

令和元年11月1日

霞ヶ関高等学校

副校長 伊坪 誠

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